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[154]株式投資型クラウドファンディングのリスク
株式投資型クラウドファンディングは歴史が浅く、まだIPO等で投資家が売却できた例もないので、リスクを指摘する人たちもいます。
- 株主が多数になることのリスク
- 数百人の株主の中に反社会的勢力がいると、上場できなくなる場合がある
- 株主総会の招集通知発送、会場の手配等、準備が煩雑でコストがかかる
- どこかにバイアウト(企業売却)をする際に、株主をまとめる(株を集める)のが大変
- 住所変更等の手続きをしなくてはならず、株主の管理が大変
- 「1年間に1億円未満」の制約
- 株式投資型クラウドファンディングで調達できる金額は「1年間に1億円未満」ですが、この上限基準は「過去1年間の株式投資型クラウドファンディング以外の増資」も含まれることに注意が必要です。例えば1年以内に5000万円の第三者割当増資をしていた場合は、株式投資型クラウドファンディングで調達できる金額は5000万円未満となります。過去に、このルールに抵触をした会社が募集中止となりました。ちなみに、株式投資型クラウドファンディングをした後の増資に関しては縛りはありません。
- 次の資金調達がしずらくなる!?
- 株主が多くなることによる弊害を危惧して、ベンチャーキャピタルが投資をしてくれなくなるという議論があります。しかしながら最近は投資を受けている会社も見受けられます。これについては明確な答えはないのですが、「絶対NO」ではないのではないかと思います。
1.の「株主が多数になることのリスク」についてですが、確かに反社会的勢力がいた場合、上場審査で不利になるという話はあります。それをできる限り防ぐために、株式投資型クラウドファンディング業者は口座開設時と、定期的な反社チェックをしています。
一般的には、株式投資型クラウドファンディングに投資をした株主の割合は全体の10%前後で設定します。資本政策の観点からは、数は多いですが一人一人の経営への影響力は高くないと言えます。
株主の管理ですが、手続きについては各クラウドファンディング業者が代行するケースが多いかと思います。
株式投資型クラウドファンディング業者は、金融庁及び日本証券業協会より、「募集の時のみならず、募集後も発行会社をサポート、指導するように」と言われています。サポートの内容については各社で温度差があるかと思いますが、業者と発行会社とは長い付き合いになるようです。