[053]自分のビジネスを守る知的財産権の種類と特徴ーその4(著作権)

著作権は思想または感情を創作的に表現した文芸や音楽などを創作したものに認められる創作物に関する権利であり、著作物を他人に勝手に利用させないという財産権です。

著作権の特徴は、出願や登録といった権利取得のための手続きがなく著作者が著作権を取得できます。

著作物とは、以下の事項を全て満たす必要があります。

  1. 「思想または感情」を表現したものであること
  2. 思想または感情を「創作的に」表現したものであること
  3. 思想または感情を「表現したもの」であること
  4. 「文芸、学術、美術または音楽の範囲」に属するものであること

具体的には、①小説、脚本、論文、講演その他の言語、②音楽、③舞踊または無言劇、④絵画、版画、彫刻その他の美術、⑤建築、⑥地図または学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形、⑦映画、⑧写真、⑨プログラム等の著作物をさします

著作者とは、著作物を創作した人のことです。著作物の創作を他人や他社に委託した場合は、実際に著作物を創作した「受注者側」が著作者となります。

主な著作者の権利は以下となります。

  1. 著作者人格権:譲渡・相続不可
    1. 公表権
    2. 氏名表示
      著作権者名の表示の有無、表示方法についての決定権
    3. 同一性保持権
      著作者の意に反する著作物の内容や題名の変更を禁止する権利
  2. 著作権:譲渡・相続可
    著作権者以外の者は、以下の権利に規定されている行為を著作権者の許可なく行うことはできません。
    1. 複製権
      著作物の複製をする権利
    2. 上演権・演奏権
      著作物を、公衆に直接見せまたは聞かせることを目的として上演し、または演奏する権利
    3. 上映権
      著作物を、機器を用いて公衆向けに「上映」する権利
    4. 公衆送信権・伝達権
      著作物について公衆送信を行う権利及び公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公衆に直接見せまたは聞かせることを目的として伝達する権利
    5. 口述権
      言語の著作物を公衆に直接見せまたは聞かせることを目的として口述する権利
    6. 展示権
      美術の著作物またはまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公衆に直接見せまたは聞かせることを目的として展示する権利
    7. 頒布権
      映画の著作物や映画内で複製された著作物を、その複製物により公衆に譲渡または貸与する権利
    8. 譲渡権
      映画の著作物以外の著作物をその複製物の譲渡により公衆に提供する権利
    9. 貸与権
      著作権を公衆に「貸与」する権利
    10. 翻案権
      著作物を翻訳し、編曲し、もしくは変形し、または脚色し、映画化し、その他翻案する権利

著作権の保護期間は、著作者が著作物を創作した時に始まり、原則として著作者の死後50年間までです。

著作者人格権は、著作者が死亡すれば権利も消滅します。

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