M&Aは「Merger & Acquisition」、つまり「合併・買収」のことを指します。
基本的には、企業は外部から資金調達をしてそのお金で収益を上げるための資産に投資をし、必要な費用を支払った後に残るお金を使って新たに投資をする、その繰り返しによって成長をしていきます。
M&Aは、「一から事業を育てるのではなく、現在出来上がっている事業を「買う」ことで自社に取り込む」戦略です。
いわゆる、「育てるまでの時間を買う」ということです。
今や、M&Aは事業戦略として一つの選択肢となってきています。
M&A仲介会社レコフの発表によると、2017年の日本企業のM&A件数は3050件で、2012年以降増加傾向にあるとのことです。
うち日本企業同士のM&Aは2180件、その3割の660件はベンチャー企業へのM&Aとのことです。
とはいえ、M&Aはモノの売買とは異なり、日々動いている「企業体」の売買なので様々なメリットデメリットがあります。
M&Aでの買う側のメリットとしては;
- 自社に必要なリソース(人材、資産、キャッシュ、ノウハウ等)を自社に取り込むことができる
- 一から事業を立ち上げるよりも、オペレーションを回している事業を買う方が即座に収益につながり、ビジネスリスクは少ない
- 規模を拡大することができる
- 川上、川下の事業を買うことで、ワンストップサービスの展開が可能になる
- 既存事業と組み合わせることで、成長が加速する(事業シナジー)
買う側のデメリット(リスク)としては;
- 思うような収益が上がらず、投資回収ができない
- 人材が抜けてしまう、取引先との契約が継続できなくなる
- 簿外債務が見つかる
- 想定していた事業シナジーが出ない
- プレミアムのついた買収価格の場合、「のれん代」の償却が収益を圧迫する
一方、売る側のメリットとしては;
- 創業者のEXITの手段になる(引退できる、資金回収)
- 買い手のグループに入ることで、信用力が増す
- 相手との事業統合で成長が加速する(事業シナジー)
- 資金調達ができる。資金面での不安がなくなる
売る側のデメリット(リスク)としては;
- これまでのような経営の自由度はなくなる
- 買いたたかれる(未上場企業はディスカウントされることが多い)
- 親会社の意向によって事業の内容や戦略が変わってしまう
- 従業員がリストラに合う
- 契約が成立するまでに時間がかかり、その間に企業業績が悪化する
メリットとリスクを把握して戦略を組んでいきましょう。