M&Aをする際には、たくさんのステップを踏んでいく必要があります。具体的には、1.戦略策定、2.ターゲット選定、3.買収実行、4.統合です。
1.戦略策定
(1)買収チームの作成と作業計画の作成
チームメンバーを選定し、作業計画を作成します。検討のための必要データのリストアップをします。
(2)投資分野の選定と分析
・現在及び今後の収益性と成長性の分析を行います
・将来動向、産業構造の予測を行います
・自社及び競合分析を行います
・当該分野に変化を促している原因を把握します
(3)自社分析と強み・弱みの把握
・社内データを活用して、期待できるシナジー効果を選定します
・伸長すべき社内スキルを特定します
M&A戦略を策定する際のポイントは;
- ポートフォリオ管理
現在・将来のビジネスの可能性を最大化し、リスク軽減、企業のリポジショニングをするため、事業をポートフォリオとして管理する(検討ポイント)- どの企業が必要とする資金・商品・市場などをもっているか?
- 自社の事業ポートフォリオに最も貢献している事業は?
- 我々がもっているものをどの企業が必要としているか?
- 成長・拡大
売上・市場拡大などによって、事業の質・量を高める(検討ポイント)- 成長市場でのプレイヤーは誰か?
- 誰が競合商品・代替商品をもつか?
- 技術力強化
競争に勝つ為の人材を確保する(人材・テクノロジー・キャパシティーなど)(検討ポイント)- 誰が我々の技術を必要としているか?
- 我々は誰の技術が必要か?
- 防衛手段
敵対的買収や事業構造に影響を与える行為に対して防衛手段をこうじる(検討ポイント)- 誰が我々のもっているものを狙っているか?
- 誰が我々のできる事を狙っているか?
- ビジネス機会獲得
特殊な市場・競争力強化の機会を得る、新たなビジネスへ参入参入する(検討ポイント)- 「もしも…」の状況に十分備える事
- 海外進出
市場・販路を海外に拡大する(検討ポイント)- 誰が世界市場で活躍しているか、もしくはその地位を得る立場か?
- どの海外市場が我々に成長をもたらすか?
いずれの目的にせよ、常に内部成長と外部成長のメリットデメリットを検討することが大切です。検討の結果内部成長のほうが経営メリットが高いと判断した場合は、M&A戦略の見直しを行いましょう。