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[152]株式投資型クラウドファンディングの特徴とリスク
株式投資型クラウドファンディングは非上場会社の株式を取り扱うため、上場会社の株式に比べると異なる特徴やリスクがあります。
- 株式投資型クラウドファンディングは、応募額が目標募集額に達しない場合に途中で中止されることや、応募額が目標募集額を超過した場合に申し込んだ全部又は一部を割り当てられないことがある等、申込みをしたからといって必ずしも購入できるとは限りません。
→購入型クラウドファンディングでは、「All-in」と呼ばれる、「集まった金額だけプロジェクトがもらえる」仕組みがありますが、株式投資型は目標募集額に到達しない場合はすべて不成立となります。その理由は、そもそも会社は会社の事業計画に沿って必要な資金額を募集するのであり、それ以下の金額を得たとしても想定した事業計画を達成できない可能性が高いからです。 - 株式投資型クラウドファンディングにより取り扱われる株式は、取引所に上場されていません。このため、次のような特徴があります。
- 株式投資型クラウドファンディングにより資金を調達しようとする会社(以下、会社といいます。)の多くは、上場会社と違って有価証券報告書を公表していません。
- 会社の多くは、上場会社のように公認会計士又は監査法人による会計監査を受けていません。
→上場会社は監査法人による業績のチェックを受けていますが、非上場会社のほとんどは受けていません。数字において会計的な証明がされていないということです。 - 株式投資型クラウドファンディングにより購入する株式は、好きなときに売却することや好きなときに追加で買うことはできません。
→非上場会社の株式は上場会社の「株式市場」のような、売買する市場がありません。また、非上場会社のほとんどは、株式を売却するときには会社の許可が必要となります。株式投資型クラウドファンディングで購入した株式を売却できるチャンスは、IPOかバイアウト(会社売却)、自社株買いの時に限られます。
- 値上がり益の追求よりむしろ、投資する会社やその行う事業に対する共感又は支援という意味でご購入していただくべきです。従って、短期間で売却して値上がり益を得るような目的には向きません。
→そもそも、売却するチャンスが少ないので、短期的な売買を期待できません。中長期的に見守る姿勢が必要です。 - 配当が支払われないことがあります。
→非上場企業で配当を支払うケースはまれです。 - 社債のように償還されたり、利息が支払われることはありません。
- 例えば、投資した会社が倒産すること等により投資した金額がゼロになることがあります。
リスクについては、金融庁及び証券業協会は各クラウドファンディング業者に対して、投資家にしっかりとした説明をしてリスクを周知徹底させるよう指導をしています。
実際に、これまでに株式投資型で調達した企業のうち、株式を売却できたのは一社のみです。
株式投資型クラウドファンディングで投資をする方は、中長期的な視点で応援をしていくのがいいかと思います。