IPOとは、未上場会社の株式を証券市場(株式市場)において売買可能にすることを言います。株式を(公募や売出しによって)新規に公開することから新規公開、IPO (initial public offering) とも呼ばれています。
国内の株式会社数は約200万社と言われており、うち上場企業数は約3,700社と、IPOは1.8%ほどの狭き門です。
IPOのメリットは;
- 信用力が増す
上場すると社会的な信用が増します。金融機関から借り入れをする際、未上場時には必須の代表取締役の個人保証も上場すると外れるます。 - 資金調達の選択肢が増える
未上場の場合は銀行借入に頼らざるを得ないですが、上場すると公募増資(新株発行)という、市場で資金調達ができるようになります。銀行の融資枠も広がることが多いです。 - 創業者が株式を売却して現金化することができる(株式の流動化)
創業者にとっては、保有している株価が100倍を超えることもあります。 - 人材採用がしやすくなる
上場すると、優秀な人材が採用しやすくなったとは、上場した社長が共通して言う言葉です。
一方、IPOのデメリットとしては;
- 上場維持コストがかかる
証券取引所に対する上場手数料、信託銀行等に対する株式事務代行費用、監査法人に対する監査費用、証券印刷会社に対する上場申請書類作成費用、株主総会に関する費用、その他内部管理等でかかる費用として、年間1億円程度の費用がかかると言われています - 株価に経営が左右される
上場すると、日々株価によって会社が評価されます。株価が安くなると公募増資もしずらくなり資金調達に影響が出ます。株主対応に負われたり、買収リスクが高まったりします。より株主を意識した経営をする必要があります。 - 情報開示義務
上場すると定期的かつ臨機応変に情報開示をすることが義務付けられます。いわゆるIR(Investor Relations)と言われる企業行動です。良いことだけでなく、株価に悪影響を及ぼすことも開示しなくてはなりません。 - 買収リスク
株式が公開されるということは、誰でも市場で株式を購入することができるということです。市場で株を買い占めることもできますし、TOB(株式公開買い付け)と言って株式の買収を宣言して株主から株を集めることも可能です。
アメリカでは、上記のようなデメリットを嫌がって未上場のまま会社を大きくするケースがありますが、資金調達やEXITの幅が広いから可能であって、日本ではまだまだIPOが会社を成長させる手段です。