業務提携は、お金がすぐに動くわけでもなく、比較的容易に提携事業をスタートできることから、人気の手法です。
しかしながら、業務提携を成功させるにはコツがあります。
- 自社がどのように利益を得ることができるかのみ考える
- リソース、費用ともに自社の提供は最低限にしたいと考える
- 集客を相手に任せる。自分の顧客は出さない
- 本業のビジネスがあくまでも優先
- 数ヶ月で効果が出ないとすぐにあきらめる
- ビジョンの共有ができていない
これらは、業務提携がうまく行かないときにありがちな状況です。
結局のところ、「提携」というよりは「取引」の範囲を超えることができません。
(「提携」と「取引」の違いはこちらをご覧ください)
事業提携を成功に導くためには、以下のポイントをしっかりと両社で検討する必要があります。
- ビジョン
- 本事業に対する各社のビジョンが同じ方向を向いているか
- win-winストーリーになっているか
- 役割分担
- 役割分担は明確か
- 費用負担ルールがフェアか
- 優先度
- コラボ事業について、お互いが十分な時間を割くことができるか
- 損益に関わらず、1年間は続ける意思がお互いにあるか
具体的なステップは以下の通りです。
- コラボ条件の内容確認・・・シンプルなビジネスプランは作成するべき
・事業分野・ターゲット→課題→解決策→実行方法→収益計画 - ビジョン(ゴール)の共有・・・お互いの目的と本気度をしっかりと確認する
・社会的意義・3年後の姿・優先度・継続期間 - 役割分担&業務フローの構築・・・補完し合い尊重し合う役割分担を
・業務項目の洗い出し・担当分野と責任の所在・サービスの流れとコミュニケーション - 利益分配、費用負担ルールの決定・・・細かなところまで決めておかないと後でトラブルになる
・金銭管理をどちらがするか・固定か%か・負担する費用項目・精算スケジュール - 覚書の締結・・・シンプルなものでいいので必ず作成しておく
・案件内容・目的・役割分担・利益分配・費用負担・期間
・更新条件 等 - 実行・・・定期的な進捗報告及び修正点をディスカッションする
・定期的な検証及び修正・進捗状況の確認及び共有 - 振り返り&修正・・・お互いのモチベーションの確認と戦略修正
・予算と実績の差異分析・継続意思の相互確認・戦略修正
★注意点
- 書面のないコラボはリスクが高い
- 「なあなあな」提携はフィー配分や費用負担でもめることがある
- 片方が途中退場をすると事業そのものの存続が危ぶまれる
- 簡単な「覚書」でもいいので、書面に残す
- コミュニケーションは綿密に
- お互いの目的をしっかりと共有しておかないと開始後にズレが拡大しがち
- お互いに本業を持っている場合、肝心な時にどちらかが動けなくなることがある
- 提携案件に対するモチベーションを随時チェックしておく
- リスクヘッジをしておく
- 片方が撤退した提携案件は、単独ではうまくいかない可能性が高い
- コア事業の提携の場合は、重要なリソースは確保しておく
- 自分のコア事業でない提携は、引き際は早めに
業務提携は両社のモチベーションを維持して続けるのが比較的難しい戦略です。パートナー選びは慎重に。