[169]経営不振の時のリスクマネジメント(その2)
[168]経営不振の時のリスクマネジメント(その1)についてはこちら
5.費用をかけずにプロモーションができる方法を模索する
費用最小限でできるプロモーションの方法としてSNSの活用を以前説明しましたが、より具体的かつ効果的な方法があります。
「社長の露出」です。
対外的に、社長の顔が見える会社はイメージがわかりやすく、印象度がアップします。
社長の言葉=会社の理念なので、会社の目指していることや商品サービスの理解度が増します。
日頃からYoutubeやブログ等で露出をしていると、取材の申込みが来ることがあります。社長が広告塔となることで、プロモーション費用はかなり削減されることと思います。
6.従業員の給与に差をつける
従業員の給与を決めるのは実に苦労されると思います。スタートアップの場合は人事評価制度も整備されていないことが多いので、結果的にほぼ横並びの給与体系になっているかと思います。
そして、給与体系があいまいなため、ある特定の人だけに突出した給与を支払うこともよくあります。
その人の市場価値が高い場合はやむを得ないところもありますが、リスクマネジメントの観点から考えての大切な視点は、
「その人がどれだけ長く会社にいてくれて、会社の利益に貢献してくれるか」
どれだけその人の市場価値が高くても、すぐにやめてしまうようであれば採用する意味がありません。
逆に、日常業務としてとても重要な従業員がいた場合には、より優遇してもいいかと思います。
辞めてもらいたくない人には徹底的に優遇する。
それが会社のリスクヘッジにもなります。
7.「出費を伴う」契約はできる限り期間を短くする
最近はサブスクリプション(月額払い)のサービスが増えています。月々の支出を抑えることができるので利用しやすいかと思います。
検討すべきポイントは、「契約期間」です。多くのサブスクリプションのサービスは年契約となっています。その場合、途中解約すると余計な費用を支払わねばならなくなります。
複合機などのリース契約もそうです。サービス提供側からすると、途中解約は売上減少リスクが大きいために解約しにくい契約体系にしていますが、交渉できるケースもありますので、途中解約の可能性も踏まえた検討及び交渉をすることが大切です。
8.支払いに優先順位をつけておく
支払先には期限通りに満額を支払うのは経営の基本です。しかしながら、資金繰りがどうにもならなくなってきた際には、一部には支払いを待ってもらう交渉をせざるを得なくなることがあります。
支払いの猶予に応じてくれる先もあれば、絶対に認めてくれない先、この先の取引ができなくなる先等、支払先には温度差があります。
日頃から、いざという時に猶予交渉ができる先と難しい先の順位付けをしておくことをお勧めします。
リスクマネジメントというと、緊縮財政で固く固くとうイメージが出てきますが、経営においてもちろん重要なことは、
リスクのあるものを認識してそのリスクヘッジをしつつも、経営上重要な投資は思い切ってする
このメリハリが重要だと思いますよ。