「こんなことをしようと思うんです!」
いいですね。楽しいことを考えている人の目はキラキラしています。
しかし、具体的な話になるにつれて多くの人は歯切れが悪くなり、目の力が弱くなります。いくら事業内容が面白くても、具体論が伝わってこなければ、聞き手(読み手)は「本当にこのビジネスは実現できるのかな」と思い始めます。これを、「WHATはいいけどHOWが甘い状態」と言います。
WHATは「何をするか」、HOWは「どのようにするか」です。ビジネスプラン的には;
WHAT:ビジネスの内容、ビジョン(将来の姿)
HOW:いつ、どこで、誰を対象に、幾らでどんなサービス(商品)を、どのようにお客さんに知らせていくか
ビジネスの多くは「○○をしたい!」というところから始まります。これはWHATです。夢がいっぱい広がる人も少なくはありません。WHATは既成概念から離れて大きく考えて、何だかわくわくするぐらいがちょうどいい。
一方で、HOWはかなり現実的です。例えば「アメリカに行きたい!」と思ったときに、多くの人は予算を考え、飛行機やホテルを予約し、実際にどこに観光に行くかを細かく詰めていきます。パッケージプランを選ぶにしても、個別の条件を総合的に考えて選びます。実際の動き方。これがHOWです。
「前のめり」になるビジネスプランは、WHATとHOWがいいバランスで構成されています。「ダイナミックかつ現実的」。一見矛盾しそうな要素が組み合わさって初めてプランに血が通い現実味が出てきます。
「明日からできる」ビジネスプラン作りにおいては、「今すぐにできるアクション」はとても大切です。ただ、それに固執するあまりに当初のWHAT(特にビジョン)を見失ってしまうと、将来的に広がりのないビジネスになってしまいがち。夢がない。
そんな「落とし穴」に陥らないためのポイントは;
(1)時系列として段階的に考える
「1年目は○○、2年目は△△、3年目で××まで拡大」として、1年目にまずできることを設定する。ステップ拡大型。
(2)条件付で考える
「○○があれば××までできる」と考えてプランを作っていく。その後に現在足りないもの(○○)をどのようにして獲得するか(これもHOWですね)を考える。ゴールありきです。
2つに共通しているのは、「WHATの達成に向かいながら、現実を踏まえてHOWを詰めていくこと」です。そして、もしHOWを考えているときにちっちゃくなってきたなと感じたら、当初考えたWHATに戻ってみて、今考えていることとのギャップを埋める方法を考えてみてください。WHATとHOWを行ったり来たりすると落とし穴にはまりません。
プランを作りながらもう一度、自分に聞いてみてください。【あなたは明日から動けますか?】