[085]商取引の際に締結すべき「自分を守る」契約書のポイント

ビジネスのほとんどは「契約行為」です。

しかしながら、契約の重要性をよく理解せずに起業をすると、書面を交わさずに口約束で物事を進めてしまうことが多くあります。
結果として、両社でもめるケースも多いです。

また、大企業との取引を開始する際に契約書を結ぶことがあります。
契約の知識に乏しいと、契約内容がよくわからずに、相手の有利な条件で契約を交わしてしまいがちです。

契約は、法的効力を発生させる法律行為です。契約をする際には、必ず契約書を作成しましょう。

契約書に盛り込むべき内容は下記の3つです。

  1. 契約の内容を具体的に文言で約定しておく
  2. 将来発生しうる問題や事態を想定して、当事者間の権利義務を約定しておく
  3. 紛争が訴訟に発展した場合を考慮する

具体的には、下記の事項を記載します

  • 契約の当事者、契約締結日
  • 契約の基本的合意内容(目的・対象)の確定
  • 引き渡し期日、場所、方法
  • 通知義務
  • 目的物の検品及び瑕疵担保責任
  • 所有権、危険負担の移転
  • 決済
  • 期限の利益の喪失
  • 契約解除
  • 契約終了
  • 裁判管轄について
  • 秘密保持条項
  • 反社会的勢力排除に関する条項

次に、契約を締結する際には、自分が不利な条件になっていないかを確認することが重要です。

例えば、以下のポイントを検討します

  1. お金の支払いと受け取りのタイミング
    「支払いはできるだけ先に、受け取りはできるだけ前に」が基本
  2. 「独占的に使用する」等、取引を制限している条項はないか
    自社の資源は独占的に使わせたくないところ。相手の資源は独占的に使いたいところ。
  3. 契約終了や解除の条件
    当方には契約解除の権利がない場合もあります。また、契約継続の際には更新料等追加費用がかかる場合もあります。
  4. 損害賠償
    当方にリスクが高い場合は、損害賠償額の上限を決めておく必要があるかもしれません。逆であれば、上限は撤廃しておきたいところ。
  5. 裁判管轄の場所
    地域が異なっている場合、相手の管轄にしてしまうと、いざというときに移動が面倒です。
  6. 費用負担
    細かいところも決めておくほうが望ましいです

契約書は、力関係で内容が変わります。つまり、どちらかが有利な内容になることが多いのです。
したがって、自社に有利になるように、もしくは自社に不利な条項を変えるように交渉することが重要です。

また、欧米では、「契約は途中で臨機応変に変更・修正するもの」という考え方があります。
一度結んだ契約書でも、途中で変更したくなった場合には交渉を持ち掛けてみましょう。

不利な契約書を結ぶと、会社の継続が危ぶまれることもあります。
気をつけてくださいね。

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