- Home
- クラウドファンディング, ファイナンス
- [094]新たな資金調達手法「クラウドファンディング」の種類と特徴
[094]新たな資金調達手法「クラウドファンディング」の種類と特徴
これまでは、未上場企業が資金調達をする場合には、日本政策金融公庫や保証協会付きの融資か、第三者割当増資に限られていました。
ここ数年で、新たな資金調達手法が注目されています。クラウドファンディングです。
クラウドファンディングとは、「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題を、こんなふうに解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法です。
クラウドファンディングの種類は;
- 購入型:プロジェクトに賛同した人から資金を募る。資金提供をしてくれた人に、自社商品等の何らかのお返しをする
- 寄付型:プロジェクトに賛同してくれた人から寄付を募る。リターンは特になし
- 融資型:資産運用したい個人(投資家)から小口の資金を集め、それを大口化して借り手企業に融資します。投資家は金銭リターンを受け取る
- 株式投資型:企業の株式を購入して将来の株式売却等のリターンを得る
矢野経済研究所の調査によると、2016年度のクラウドファンディング市場は約745億円とのことです。うち9割が融資型で、購入型は約62億円の市場です。2017年には全体で1000億円になることが見込まれている、急成長市場です。
企業の資金調達として活用できるのは購入型と株式投資型になります。現在幅広く活用されているのは、購入型です。
購入型クラウドファンディングのメリットは;
- ノーリスクで資金調達ができる
手数料は「集まった金額の〇%」と、成功報酬型です - ファンづくり(潜在顧客の発掘)
- 営業、PR活動ができる(顧客化)
- 事業開始前でもOK
一方、デメリット(リスク)は;
- 募集金額が数百万程度
成功したプロジェクトの平均募集金額は100万円と言われています - 売買契約としてのコスト
購入型の場合、何らかのリターンを購入者に返さなくてはなりません。それにはコストがかかります - 手数料
手数料は各社によってばらつきはありますが、募集金額の20%が多いです - ノウハウ等情報流出リスク
新規プロジェクトに対して募集をする場合、他社にアイデアを盗まれるリスクはあります - 成功確率を80%に上げる労力
クラウドファンディングには、「1/3の法則」なるものがよく言われます。クラウドファンディングの1/3の法則とは、成功するケースの特徴として、「自分の友人・知人からの支援が1/3、友人・知人の友達からの支援が1/3、全く知らない人からの支援が1/3」というものです。つまり、「まずは知り合いに声をかけて協力してもらう」労力が必要になります
数回にわけてクラウドファンディングについて説明していきますね。