自分の商品やサービスの良さを人に伝えるとき、陥りがちな罠があります。
それは、「その商品・サービスの性能や機能等、「良さ」を伝えること」。
では、何を伝えるのがいいのか。
「シーン」です。
つまり、相手が自分の商品やサービスを使っているイメージや状況を伝えるということ。
さらに言うと、相手がそれらを使って、課題が解決できている状態を想像させるということ。
私たちの商品・サービスは、「手段」でしかありません。
相手が持っている課題を解決する手段です。
課題が解決できている状態ってどんな感情を抱いているでしょうか。
おそらく、とてもうれしいでしょうし、楽しいでしょうし、ほっとしているでしょう。
私たちは、その「嬉しさ」「楽しさ」「ほっ」を伝えることが大切です。
機能がすぐれている、性能がいい等は確かに強みではありますが、それを使って自分の課題が解決できるというイメージを相手が抱かなければ、商品サービスを購入したいというモチベーションにはなりません。
そして、意外と私たちはイメージを抱かないものなのです。
優秀な車のセールスマンは、「車を売るのでなくて、シーンを売る」と言われています。
その車に乗ってドライブをしているシーン、バーベキューをしているシーン、家族で旅行に行っているシーン、かっこよさにみんなが振り向くシーンを想像させる。
「あっ、こんなシーンを実現したい!」と顧客が思うことが、購入意欲につながります。
マンションになぜモデルルームがあるのか。
「自分がこんなところで朝起きてご飯食べて、仕事から戻ってこのソファで休んで」という想像を抱かせることができるからです。
購入する際に、モデルルームにおいてある家具や電化製品がそのままほしくなるのも、自分のシーンになっているからと言えます。
スティーブジョブズ氏のプレゼンテーションの強さも、そうした「シーンを共有する」ところにありました。
ジーンズの小さなポケットからipodを出す、封筒からmac airを取り出す、iphoneで音楽を聴く、ピザを注文する、等々、日常のシーンを例にしながら、アップル製品を持つことの楽しさ、おしゃれさ、便利さをPRしていました。
具体的にどのようなトークになるかですが、
「この商品を使うことで、あなたの○○(課題)が劇的に改善される」
「このサービスによって、あなたは△△を楽しむことができる」
ポイントは、主語を「あなた」にすることです。「この商品は」「弊社は」ではありません。
ぜひ使ってみてくださいね。