顧客に商品・サービスを提供するにあたり、顧客の本質的な心理を理解しておく必要があります。
基本的に、わたしたちは保守的です。
保守的ということは、「変化を嫌う」ということ。
変化を嫌うということは、「現状維持を望む」ということです。
人は「先が見えないこと」に対してストレスを感じます。恐怖心を抱きます。
恐怖心を抱くと、人は動けなくなります。その場にとどまる。これは人の本能です。
この状態を商品やサービスに置き換えるとどのような行動になるでしょうか。
「新しい商品を買わない」のです。
「今あるサービスをなかなか乗り換えない」のです。
新しい商品を使っている自分が想像できないとき、「先の見えない不安」に襲われます。
もし満足できないものであった場合、「ああ、今まで使っていたものにしておけばよかった」と後悔します。
人はそんなに簡単に買い換えないということです。
少しぐらいの不満であれば、我慢して使い続ける、それが人の基本的アクションです。
そう考えると、私たちが新商品を投入しようとしても、なかなか市場に受け入れられない理由がわかりますね。
では、どのようなときに顧客は買い換える、もしくは新商品を購入するのでしょうか。
以前、課題レベルについて説明をしました。
(「課題設定で陥りやすい罠と設定のポイント」についてはこちらをご覧ください。)
課題レベルが高い場合は、購入する可能性は高い状態ですが、それでも保守的であることには変わりません。
購入のきっかけになるキーワードは、
- 現状(の商品やサービス)に我慢ができない
- 明確な効果を実感できる
現状に不満が募っているときは、少しでもその状態が改善できるものであれば、購入する可能性が高くなります。
セールストークも、「あなたのその不満はこの商品で解決できますよ」で十分です。
また、目に見えて効果がわかるものや、効果を実感できるものであれば、同様に購入する可能性が高まります。
明らかに早い、ストレスがない、使いやすい、効果的等。
課題レベルが低い場合は、「FUN]が重要な購入要因となります。
かわいい、かっこいい、楽しい、気持ちいい、癒される等々。
また、「みんなが持っている」といった集団心理も効果的です。
「みんなが持っている」は、「みんなが持っているなら安心だ」という、「先の見えない不安感」を和らげるキーワードです。
口コミも「みんなが評価しているなら安心だ」という感情を引き起こすことができます。
保守的な感情の壁を崩す戦略をつくりましょう。